人権資料・展示全国ネットワーク(人権ネット)
「人権資料・展示全国ネットワーク」
結成の呼びかけ

 近年、人権問題がクローズアップされています。国連を中心に「国連人権教育の10年」がはじまり、また、本格的な国際化時代を迎えて、人権啓発が大きく叫ばれるようになってきました。「人権」は、21世紀の重要なキーワードとして、さらに比重を高めていくことはまちがいありません。
 それ故に、現代日本で生じている様々な人権問題を解決していくうえで、具体的な歴史をふまえて、その問題点と課題を明らかにすることが重要な課題となっています。また、人権啓発活動の高まりとともに、差別の現実と人権確立の課題を訴える「人権展」運動の各地での成功は、「人権博物館・資料館」設立への機運を大きく盛り上げてきました。そして、各地で地域性や各人権問題の独自性を生かした博物館、資料館、記念館、人権センター、研究所などが設立され、資料を収集し、それを生かした展示や出版などの活動が活発に行われています。
 しかしながら、人権に関する資料収集はまだまだ立ち遅れ、系統的組織的に資料を調査・収集することが急務の課題となっています。また、展示方法についても、人権のテーマをいかに具体的に実物資料で展示できるのか、つねに調査研究を重ねていかねばなりません。これらの活動を充実させていくためには、関係者の熱意と努力が重要であることは言うまでもありませんが、情報をより多く集積していくことが大切です。
 したがって、「人権博物館・資料館」設立の流れを一層確かなものにし発展させるためにも、各地での展示事業の実例や資料に関する情報を交換しあえる横断的なネットワークづくりが是非とも必要であると考えます。
 そこで、相互交流と親睦を深め、人権確立のための研究・教育・啓発に寄与するために、「人権資料・展示全国ネットワーク」を結成することを呼びかけます。
 つきましては、この趣旨にご賛同いただきご参加いただければ幸いです。

1996年6月20日

大阪人権博物館
「(仮称)水平社歴史館」建設推進委員会
福山市人権平和資料館

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